公演は終了致しました。多くのご来場、誠にありがとうございました。
「盲人が盲人を案内する」、そんな作業であったように思います。わたしたちは、真ん中に小さく「レバノン」とだけ書かれた大きな紙を睨みつけ、本とインターネットというGPSを片手に、紙の上のどこかにある「現在地」を探している。そんな光景だったように思います。実際には、現在地はバラバラで、これからそこに点を打つ者もいるだろうし、点を線に変える者もいるだろう。先を行く盲人の持つ杖は、「倫理」という名前の杖で、たとえ道が途切れて途方に暮れたとしても、それだけは放さずしっかりと握りしめていなくてはならない。広大な白紙の上で、それだけが唯一の手がかりなのだから。
ーーと、きれいに言おうとすればそんな一年だったのですが、しかしそういうマジメなことを言うと「サムい」と一笑される日本、その空気を前提としなければいけないことも事実なのです。レバノンを扱うにあたっては、この「熟成された内向的シニシズム」が最大の壁であることに気付きました。（高嶺格）
京都造形芸術大学 映像舞台芸術学科 高嶺・森山クラス授業発表公演
2009年2月20日（金） 18:00 ・ 21日（土） 13:00
京都芸術劇場 studio21（京都造形芸術大学内）
演出：高嶺格
指導教員：高嶺格 森山直人
出演：穐月萌 清川敦子 児玉絵梨奈 島崇 西澤真里沙 前田美留加
松尾恵美 松岡由佳 峯奈緒香 山田晃嗣 吉田由利香
演出助手：倉田翠
舞台監督：工藤花之助
舞台監督助手：三木茜
照明：山本早織
音響：小松優介
美術：穐月萌 田中慶子 平根梨奈 吉田由利香
映像：鴨嶋美幸
映像制作：山田晃嗣
衣装：清川敦子 濱地真実 菅美奈子 西澤真理沙
制作：内海美佳 佃宏子 林里恵
宣伝美術：長屋耕太
協力：shin-bi 松井茂
主催：京都造形芸術大学 映像舞台芸術学科
photo：長屋耕太
